こんにちは!嫁です。
突然ですが、私たちはどうして海外旅行をするのでしょう。
きっと、その国のことが好きだったり。その国に興味を持っていたり。
好きな国で、その国の言葉を話せたら。現地の人と、現地の言葉で意思疎通ができたら。とっても素敵ですよね。
日本で出会う外国人観光客も、もしかしたらそんな人かもしれません。
日本が好き!日本のことをもっと知りたい!日本語でコミュニケーションを取ってみたい!
ゲストハウスで出会う外国人も、もしかしたらそんな人かもしれません。
この記事では、そんな人の力になれるよう、大学時代に日本語教育を専攻していた私からお伝えします!
Contents
前置き 〜やさしい日本語を使うということ
私達ネイティブが話す日本語は、学習者にとっては理解が難しいものです。
教科書英語なら理解できるけど、現地の人がおしゃべりしている英語は理解できない!
私たちがそう感じるのと一緒です。
以前執筆した記事では、日本語の学習を始めたばかりという外国人と日本語で会話するためのコツをお伝えしています。
相手の日本語学習を助けるためには、難しい表現を簡単な表現に変えてみたり、言葉の並びをシンプルなものにしてみたりなど、少し工夫をして話すことが必要です。
そこで今回注目するのが、やさしい日本語を意識した会話です。
災害時の情報を正しく受け取れないことは、身の安全を守れないことに繋がります。
災害があったときに日本にいる外国人が、正しく情報を受け取れるように、と弘前大学で研究が始まりました。
避難所 → みんなが 逃げるところ
出火 → 火事になる
壁に亀裂が入ったりしている建物 → 地震で こわれた 建物
例えばこんな感じで難解な言葉を「やさしい日本語」に言い換えるような研究です。
本記事では、やさしい日本語を意識的に使うことで、相手の外国人が覚えやすく、またこちらの話すことも伝わりやすく、を目指していきます。
本日のテーマ「て形」をどう教えていくか
「て形」は強敵!?
以前の記事で触れているので詳しくは割愛しますが、「て形」と呼ばれる活用をきちんと教えるのはかなり大変です。
例えば活用のしかた
食べます(ます形) → 食べて(て形)
行きます(ます形) → 行って(て形)
読みます(ます形) → 読んで(て形)
一応、日本語教育で使われる、て形の活用を覚えるための歌とかはあります。
ですが、そこまでやっていると何時間使うことか・・・
例えば意味用法
また、て形を使ったときの意味用法は意外と多いです。
テレビを見て、お風呂に入った。(動作などの順序)
歩いて、駅へ行く。(手段や方法)
風邪をひいて、仕事を休んだ。(原因や理由)
これでもほんの一例です。
これらをひとつずつ教えていたら何日かかることか・・・
わかっていただけましたでしょうか。て形は強敵です。
なのに、私たちは無意識のうちに「て形」をたくさん使っています。
日本語を学ぶ、使えるようになるにあたって、「て形」は避けて通れないのです。
本記事での「て形」への簡単なアプローチ(嫁流の提案)
そこで今回、嫁流のアプローチを考えてみました。
①よく使うワードを、塊で覚えてもらう
②その意味用法を使って、他の表現も学習
③あとは実践あるのみ!
これならきっと、ゲストハウスでご飯を食べながら、お酒を飲みながら、ゆるりと楽しく短時間で日本語を教えることができるはずです!
それでは一つ一つ、アプローチを見ていきましょう!
嫁流「ご飯でも食べながらゆるりと”て形”表現を覚えよう!」
STEP1 よく使うワードを、塊で覚えてもらう
まずは、よく使うワードを覚えてもらいましょう。
日本語教室だったらここで、テ形という活用がありますよ〜こう活用していきますよ〜、なんていう授業がなされるでしょう。
ここでは飛ばしましょう。内容が濃すぎて、ゲストも美味しいご飯を食べてる場合じゃなくなっちゃいます。
学生時代の英語教育でも、熟語として暗記した表現がいろいろとありましたね。
その感覚で、一旦、表現をまとめて1ワードとして、塊で覚えてもらっちゃいましょう。
例えば旅行やゲストハウスなんかで使うような表現だと・・・「教えてください」なんかは汎用性ありそうですね。
日本人からゲストに対して、
「名前を教えてください」
「〇〇語ではどう言うの?教えてください!」
なんて問いかけもあるでしょうし、
ゲストから日本人に対して、
「〇〇への行き方を教えてください」
「おすすめの食べ物を教えてください」
なんて表現が使えるようになったら便利です。
まずは、〜tell me や 〜teach me のようなニュアンスであることを伝えます。
それに納得してもらえたら、上記のような例文を教えることで、「教えてください」の使いかたの感覚をまずは掴んでもらいます。
「教えてください」の他にも、旅行やゲストハウスでの時間において使えそうなものを以下にあげてみます。
「持っています」
パスポートを持っています。 ガイドブックを持っています。
「〜を使って、〜する」
(日本酒を)お猪口を使って、飲みます。 電車を使って、〇〇へ行きます。
「食べてみて!」
(納豆を用意して)これは納豆です。食べてみて! (オススメのお店を教えながら)明日、食べてみて!
STEP2 その意味用法を拡げて、他の表現も学習
続いて、STEP1で覚えた表現から表現を拡げていきます。
例えばさっき覚えた「教えてください」
意味合いとしては“依頼”になるでしょうか。
すると、「教えてください」から拡大させることで、
「書いてください」や「取ってください」という表現を教えることができますね。
「書いてください」
ex:「名前を書いてください」
「取ってください」
ex:「醤油を取ってください」
いかがでしょうか。これで依頼の仕方もわかりますし、ワードの塊としても一気に3種類覚えることができました!
同じような意味合いのものを合わせることで、記憶に残りやすく、理解を深めやすくなるのでオススメです。
他の表現についても同じように考えてみましょう。
「〜ています」・・・今の状態などを表す
「住んでいます」
ex:「近くのマンションに 住んでいます」
「知っています」
ex:「美味しいお店を 知っています。
「〜て、〜します」・・・順に起こる動作を話すときなどに使う
ex:「ご飯を食べて、でかけます」
ex:「荷物を持って、部屋へ行きます」
「〜てみて」・・・試してほしいときなどに使う
ex:「〇〇へ行ってみて!」
ex:「日本語で話してみて!」
今回は意味の定義やグループ分けを、厳密にしてはいません。ここでは完璧にする必要はないと思うからです。
なぜなら、これはあくまでも、ご飯を食べながらゆるりと覚える日本語です!
ここで大切なのは、私たちがよく使う日本語、相手がすぐにでも使えるような日本語を覚えてもらうことと考えています。
相手がさらに詳しいところまで知りたがったとき、そのときに初めてきちんと解説できれば十分だと思います。
STEP3 あとは実践あるのみ!
あとはとにかく使いまくってもらいましょう!
こちらからやさしい日本語で話しかけてみたり
相手が使った日本語に対してリアクションを取ったり
どんどんやさしい日本語での会話を繰り返すことで、実践で覚えていってもらいましょう!
以下にいくつか、ゲストハウスなんかでありそうな例を載せてみました。
これらを参考に、どんどんやさしい日本語を活用していってください!
実践例①:日本食にチャレンジする
例えばゲストハウスのラウンジで、みんなで日本食を楽しむような機会があったとします。
みんなで手巻き寿司パーティ!
↓
「〇〇さん、醤油を取ってください」
「ご飯を乗せてから、具を乗せます。」
納豆にチャレンジ!
↓
「美味しいから、食べてみて!」
「納豆は健康に良くて、美味しいです」
実践例②:京都に行くらしい
例えばゲストハウスを訪れたゲストが、京都を訪れる予定があるらしいと聞いたとします。
「京都は、観光地が多くて、たくさんの人で賑わっています」
「〇〇へ行くなら、〇〇線に乗って、〇〇駅まで行きます」
さいごに
いかがでしょうか。
ゲストハウスに限らず、日本が好きだったり、日本に興味を持っていたりする外国人は、あちこちにいます。
日本語を話したい!勉強したい!
そう思ってもらえるのは、日本で生まれ育った私たちにとってとても嬉しいことです。
少しでも日本を知る手助けができるように、日本語をもっと楽しいと思ってもらえるように、
本記事を活用していただけたら嬉しいです!