何のために個人目標を立てるのか、どういうことを書けばいいのか。いまいち分からず曖昧な目標を提出してしまうと、自身のためにも会社のためにもなりません。
そこで、会社員が目標を設定するときのポイントを4つ紹介します。
今年の目標は、「せっかくの機会だから成長のチャンスにしよう」という気持ちで設定してみるのはいかがでしょうか。
次に説明する4つのポイントを意識して、課題を解決し成長を感じられる目標設定を目指してみましょう。
ポイント1 組織目標を反映する
売り上げ目標や開発プロジェクトの進行目標、地域への貢献や環境への取り組みなど、会社全体で取り組む方針が決まっています。個人目標を設定する前に、まずは組織目標を確認しましょう。
いくら立派な目標を立てても、組織目標にそぐわないものであれば後からすり合わせを要求されることもあります。そうなってしまっては二度手間になってしまい、せっかくのモチベーションも下がってしまいかねません。
個人目標は、組織目標の中で自分の仕事やスキルが組織目標の達成に繋がりそうな項目を考えてみましょう。
ポイント2 部署やチームの目標も確認する
配属されている部署やチームがどのような目標を掲げているかも確認する必要があります。たとえば営業部であれば新規顧客の開拓に力を入れるのか、あるいは既存の顧客に新しいサービスを提供する方針なのか、といったように、目指す方向性が無いか確認しておきましょう。
チーム一丸となって新規顧客の開拓に力を入れようという目標を掲げているのに、一人だけ既存の顧客に新サービスを勧めるといった状況は足並みが揃っておらず、チームとしても個人としても効率的に目標達成を目指すことが難しくなりかねません。
ちぐはぐな目標設定にならないためには、チーム内の同僚や上司とコミュニケーションを取るのが一番でしょう。設定するべき目標が思いつかない、という場合もチーム内で目標や現状の課題を確認しあうことで伸ばせそうなスキルや仕事のやり方についてアドバイスをもらえることもあります。
また、自分自身がチーム内で果たすべき役割について再確認するいい機会にもなります。目標設定に迷っているのであれば、ぜひチーム内で相談する時間を取ってみましょう。
ポイント3 モチベーションが保てる目標を設定する
誰かから押しつけられた目標や仕事に対してモチベーションを上げることは難しいものです。組織目標に沿っていることが重要とはいえ、お仕着せの目標ではなく自分で「これなら頑張れる」「こういうことをしてみたい」と思える目標を立てることが重要です。
組織のためにもなり、自分自身のためにもなる目標とは、どのようなものでしょう。
たとえば給与に反映されるような資格を取得すれば、業務のうえで貢献できるうえ、給与アップによって自身のモチベーション向上にも繋がります。
出世や給与に影響する成長や、転職の際に有利になる資格の取得など、自身のモチベーションを保ちつつ納得して目指せる目標を考えてみましょう。
ポイント4 具体的な数値目標にする
目標はよく「定性目標」と「定量目標」という言葉で分けられますが、目標設定で考えなければならないのは「定量目標」のほうです。
「定量目標」は具体的な数値を定めた目標のことです。「3ヶ月後までに、売り上げを1.2倍にする」といったように、目標を達成したと判断できる状態や達成までの期限に具体的な数字を当てはめて考えます。具体的な数値が目標として設定されていることで、どのような状態になれば目標を達成したと言えるのかが誰の目にも明らかになり、客観的な判断基準を持つことができるようになります。
反対に、数値では計れない「クライアントに満足してもらえるよう努力する」といった目標のことは「定性目標」と呼びます。「定性目標」は、「定量目標」を設定した後で考えるといいでしょう。
たとえば「半年後の顧客満足度の調査結果で満足したという回答を前年度より15%アップさせる」「リピート受注を前年比1.3倍に高める」といった「定量目標」を設定したうえで、どうすれば達成できるかを考えたとき、「定性目標」が有効になります。
「クライアントとの連絡を密にする」「契約完了後も定期的にヒアリングを行う」といった、数値には表しにくいけれども目標を達成するために効果的な行動を「定性目標」として掲げておくといいでしょう。
具体的な達成目標としての数値と、達成するための行動が明示されていれば、計画や行動にも移しやすく、上司にとってもあなたが目標達成までにどのようなプロセスを考えているかが想像しやすくなり、取り組みへの共感が得られて高い評価を受けやすくなります。
まとめ
組織が設定した目標を否応なしに受け取らされて、数値目標の達成を促される。そういった目標設定はモチベーションも上がらないものです。
達成の見込みも低くなるため、自然とハードルを下げた安易な達成目標を見つけようという流れにもなりかねません。