本日はそんな人にお伝えできるような記事を執筆予定です。
あわせて、この考え方を教えてくれた友人は「『花仕事』を発信することの重要性」についても語っていました。
地域で活動や仕事をしたい方には参考になると思います。
それでは本文で「米仕事」と「花仕事」について簡単に紹介していきます。
「米仕事」と「花仕事」とは
この考えは「稼ぎ仕事」と「務め仕事」に由来します。
会社の仕事は自分が稼ぐための仕事、つまり「稼ぎ仕事」としてやらなくちゃいけないんですが、もう一つ「務め仕事」っていうものがあるだろうって思ってるんです。稼ぎはともかくとして、自分の能力を使って世界の役に立つものを考える仕事ってあるだろうって。
水戸岡 鋭治. 鉄道デザインの心 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1320-1322). Kindle 版.
「稼ぎ仕事」と「務め仕事」は、「米仕事」と「花仕事」という呼び方もあります。ややこしいんですが、「パン仕事」いうのもあります。たまたまフランスの作家の人たちがよく〝パン仕事〟って言うわけですよ。作家としての作品づくりだけでは食えないから、生活費を稼ぐために別に仕事をする必要があって、それを〝パン仕事〟と呼ぶ。それを聞いて、パンを米に変えて稼ぎ仕事のことを米仕事と呼んで、そうでないボランティアや、自分が本当にやらなくちゃいけない仕事を花仕事って呼んだんです。それで結論として言いたいのが、社会のことをボランティアでやらなくちゃいけない、花仕事というものがある、っていうことです
水戸岡 鋭治. 鉄道デザインの心 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1374-1380). Kindle 版.
今回の記事はこちらの本「鉄道デザインの心」から引用しつつ書いています。
「米仕事」と「花仕事」のお話は「第10章稼ぎ仕事と務め仕事(水戸岡 鋭治. 鉄道デザインの心 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1319). Kindle 版.)」に書いてあります。
上記で引用した文章は、本で書かれていることのいち部分でしかないので、もっとしっかり理解したいという方は引用元の本を読んでくださいね〜。僕はkindleで買っちゃいました。
なぜ「米仕事」と「花仕事」の考え方を紹介したいのか
今の社会では、ほとんど全てが稼ぎ仕事で、務め仕事がないです。戦後、僕たちは勤勉な企業人になってしまい、社会人としての勤勉さを失ってしまった。家の面倒を見ない、近所の面倒を見ない。そのせいで家族が壊れて、環境も壊れて、どこから手をつけていいか分からない。
水戸岡 鋭治. 鉄道デザインの心 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1366-1369). Kindle 版.
そういうことが一番根底にあって、それではどういう機械を造ろうか、どういう街にしようか、じゃあどういう電車を造る、どういう駅を造るっていうのが正しい話の順番というものでしょう。一番根底にある問題点を無視して、単にもうかるからこうしよう、っていう話では、何も解決できません。
水戸岡 鋭治. 鉄道デザインの心 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1371-1374). Kindle 版.
この記事を読んだ時に思い浮かんだのが、小さい頃に自分が住んでいた町内会の集まりのこと。近所の方々みんなでご飯を食べたり、ゲームを一緒にして遊んだ記憶がある。あれは町内会の誰かが「務め仕事」としてやってくれてたんだと思います。ご近所同士が顔見知りだと、何かが起こった時に、助け合いが生まれたりします。孤独が生まれにくいという意味でも、これは重要なことですよね。最近ではそういう集まり、少なくなった気がします。
上記は地域に住んでいる方々の話ですが、外部の人間が、いわゆる「まちづくり」をしようと入ってきて、仕事を作ろうとすること、ありますよね。
僕自身も、仙台の荒町商店街に住んでいるわけではないけど、そこに働く場であるゲストハウスがあるから、そこの地域を活性化させる仕事を作ろうとしてました。
生活がかかっていたりすると、どうしても「米仕事」に目が向き、まちの発展には重要なことだけど利益が出ないからやめてしまおうとか、もうからないからやらないとか、そういう発想をしてしまいがちです。(資本主義社会に置いて、そういう教育を僕は企業人のときに受けてきました。なので実は商店街の仕事を始めた当初は、地域活動に否定的な意見も持っていました。)
「花仕事」をしっかり発信しよう
そうなんですよね、あからさまにそういうのを言うのって、抵抗感抱く人、結構多い気がしますし、仕方ない感情だなあと思います。
もちろんその気持ちも分かるのですが、それだとせっかくの取り組みが自分で止まってしまい。循環しないこともあると思うんです。
①〇〇という商店街のイベントをやりました。
②ボランティアだし、そこまで大きな仕事はしていないし、一緒に関わってくれた10人だけが知っててくれればいいや。
③終わり。
①〇〇という商店街のイベントをやりました。
②ボランティアだし、そこまで大きな仕事はしていないけれど、せっかく関わったので、このイベントの様子や自分が関わって工夫したことだけでもSNSで紹介しよう。過大に見せないよう気をつけて。
③SNSで繋がっている100人の内、半分の50人が見てくれたみたい。
④他の町内会にも知れ渡って、そのイベントを参考にした別イベントが動き出した。
→流れが止まらず、地域の活性化が続く
⑤メッセージが届き、どんな感じでイベントをやったか教えてほしいと言われたので教えた。
→この段階で「花仕事」が1つ増えた。大変と思う人がいるかも知れない
⑥少し時間が経って「地域で◯◯というイベントをされていましたよね?」と、地域の方から連絡があり、本業の仕事について話を聞きたいと言われた。
→これが「米仕事」のきっかけになることもあります。
「花仕事」は大事です。大事ですが、そればかりやってると生活がままならないこともあると思うので、「米仕事」もやる、そして「花仕事」を「米仕事」につなげていく。それが地域で仕事をする時に、心を消耗させず、長く関わっていくためのちょっとしたコツです。
この記事を読んで、少しでも地域に関わる方々のお役に立てると幸いです。
・「米仕事」だけでなく「花仕事」もしよう
・「米仕事」に限らず、「花仕事」もSNSなどで発信しよう
・短期的な成果だけ追わず、長期的に見て必要なことをしよう
今回の記事はこちらの本「鉄道デザインの心」から引用しつつ書いています。気になる方は読んでみてください。